役員運転手の1日の流れ|待機時間や長時間労働の対処法を解説
2021.10.27
他社の役員運転手がどのように1日を過ごしているのか気になりませんか?
役員運転手は待機時間が長くなりがちな職業です。
1日のうちでも待機時間が長く、給与を払っているのにもったいない、と感じている雇用主の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また役員のスケジュールにあわせて行動するため、時間外労働や休日出勤が増えてしまうと悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
そこでここでは、役員運転手の1日と待機時間の過ごし方、時間外労働が多くならないための対処法をご紹介します。
役員運転手の労働時間や働き方でお悩みの方必見です。
Contents
1. 役員運転手の1日の流れ
まずは役員運転手の1日の流れの例を確認してみましょう。
役員運転手は「待機時間が長い」と言われますが、実際はどの程度あるでしょうか?
7:45 出社|当日のスケジュール・道路状況の確認
8:15 役員宅へ|役員の自宅へ出発。
8:25 到着|役員宅へ到着。役員が出てくるまで待機
8:30 会社へ|役員を乗せて会社へ出発
8:40 到着|役員が降車後は待機
10:00 出発|取引先へ出発
10:30 到着|取引先到着・待機
11:30 出発|取引先を出発
11:45 昼食|役員の昼食に同行
12:45 出発|次の取引先へ出発
13:00 到着|取引先到着・待機
14:45 出発|会社へ向けて出発
15:30 到着|会社へ到着・待機
17:30 出発|役員の業務終了・自宅へ出発
18:00 帰社|車を駐車場に戻し日報作成
18:30 退社|本日の業務終了
上記の場合、運転時間は2時間35分、待機時間は6時間10分でした。
確かに待機時間がかなり長時間になっています。
ではこの待機時間に他社の役員運転手は何をしているのでしょうか?
2. 待機時間の長い役員運転手は1日何をしているのか
役員運転手は運転だけでなく車の管理も担当していることがほとんどです。
車に異常があり、運行できないとなると役員のスケジュールに支障が出てしまいます。
また社用車が汚れていると取引先で役員が恥ずかしい思いをするでしょう。
役員運転手は長い待機時間を使って、車の整備や清掃をこまめに行っています。
さらに次の移動先へのルート設定や渋滞情報のチェックなどを行い、スケジュールが滞りなく進むように準備をしています。
それでも時間が余ってしまった場合、以下のようなことをしているドライバーもいるようです。
2-1. 秘書業務
最初から秘書業務と兼任で役員運転手を雇用している会社があります。
この場合は運転以外の時間は秘書室で電話やメールの対応、スケジュール管理などを行っています。
もともと秘書課に所属することもある役員運転手。
業務自体も「役員の補佐」という点では共通しています。
役員運転手と秘書を兼任するのは理にかなっているといえるでしょう。
2-2. 他部署の手伝い
待機時間に他部署の手伝いをするケースもあります。
簡単な書類作成や郵便物の仕分け、ファイリングなどです。
ただし他部署の手伝いをしてもらう場合は、採用時に本人に同意を得るようにしましょう。
入社後にそういった仕事を初めて依頼する場合も、本人と話し合ったうえでどの程度の仕事まで頼むかを明確にした方が、後々トラブルにならずに安心です。
ただし派遣の役員運転手を雇用している場合は注意が必要です。
派遣会社では、ドライバーに運転に関わる業務以外の仕事をさせない会社がほとんど。
会社の方針にもよりますが、中には買い物やクリーニングの受け取り程度であればできることもあります。
派遣ドライバーに何かを頼む際には、事前に派遣会社に確認をとりましょう。
2-3. 仮眠・勉強
役員が夜間や休日に接待がある場合、役員運転手も同じように勤務することがあります。
勤務時間が長時間になったり、休みがなくなったりしてしまうと疲労が蓄積し、事故の原因にもなりかねません。
それを回避するために、待機時間に仮眠をとるドライバーもいます。
待機時間中でもいつスケジュールが変更になり、出発しなければならなくなるか分かりません。
外出はできないため、車内や控室で仮眠をとることになります。
また中には資格取得や外国語の勉強をするドライバーもいます。
役員運転手には「秘書検定」や「運行管理者」の資格がおすすめです。
また海外の企業と関わりのある会社に勤めている場合は、英語の勉強をしてスキルアップをはかるドライバーもいるでしょう。
3. 役員運転手が長時間労働になる場合の対応方法
役員運転手の勤務では時間外労働が問題になることもあります。
しかし働き方改革により、36協定を結ぶ際の時間外労働に、罰則付きの上限が定められました。
これは2019年4月(中小企業は2020年4月)よりすでに始まっています。
時間外労働の上限「月45時間・年360時間」を超えて仕事をさせることは、基本的にできません。
企業側としては、なんらかの対策を取る必要があります。
3-1. 2人体制にする
残業時間が長くなる企業では、2人態勢で業務を行う場合も増えています。
シフト制を導入し、無理なく働けるような体制を取ることは、役員の安全を守ることにもつながります。
また1人体制では取得しにくい有給休暇も取得しやすくなるでしょう。
ほかにも時間外や休日のみパートを雇用する方法もあります。
昼間はほとんど稼働せず役員の自宅への送迎が主な仕事であれば、なおのことその時間だけ出勤させることを考えてみてもよいのではないでしょうか。
3-2. 派遣の役員運転手を雇用する
社員を増やすことが難しい場合は、派遣の役員運転手を雇用する方法もあります。
正社員を自社雇用した場合、給与以外にもボーナスや退職金の積み立て、福利厚生費などほかにもさまざまな費用が掛かります。
派遣であれば、そういった費用を心配する必要もありません。
また自社雇用で人数を増やす場合、求人や採用にコストや時間が必要です。
派遣会社に依頼すれば、しっかりと研修されたドライバーをすぐに派遣してもらえます。
おすすめの派遣会社としては、「セントラルサービス」が挙げられます。
都内の派遣・請負会社で、研修が充実していると評判です。
またスポット契約もできるため、休日だけ頼んでみるといった方法もできます。
4. まとめ
役員運転手の1日は、待機時間が長くなりがちです。
車の清掃や管理、ルート検索などの業務がない待機時間には、仮眠や勉強をして過ごしている役員運転手もいます。
会社によっては採用時からすでに秘書と兼任で雇用し、スケジュール管理や電話・メールの応対をさせることもあります。
また他部署の簡単な手伝いをさせる会社もあるようです。
1日の勤務が長時間なことも、役員運転手の特徴です。
しかし36協定で、時間外労働には上限が定められています。
上限を超えないためには、役員運転手を2人体制にする方法や、派遣の役員運転手を雇用するといった方法があります。
いずれにしても、役員運転手に無理がかからないような業務内容と時間を設定しなければなりません。
それが役員の安全を守ることにもつながるでしょう。